今日は、妊娠初期に私が受けた「胎児ドック」と「NIPT(新型出生前診断)」のことをお話ししようと思います。
高齢出産という言葉を突きつけられた日
私が妊娠したのは、36歳の時。
心拍が確認できたその日、産婦人科の先生から
「NIPT(新型出生前診断)」の説明と用紙を手渡されました。
これまでなんとなく聞いたことはあったけど、
「高齢出産」「出生前診断」「ダウン症の確率は1/200」
という言葉が、目の前の“現実”として突きつけられました。
中絶か、出産か。そのどちらも、簡単に決められることじゃない
NIPTを受けることで、
染色体異常の可能性が高いかどうかが“わかる”というのは、
一見「安心できる検査」にも思える。
でも、もし陽性が出たら——
現実には、陽性だった場合の約8割が中絶を選んでいるというデータもあるそうです。
産むと決めることも、中絶すると決めることも、
当時の私にはどちらも選べる気がしませんでした。
それでも私が「検査を受けよう」と思った理由
一番怖かったのは、「検査を受けない」という選択をして、
「いざ生まれてきた時に突然知らされる」という未来。
そのときに私は、パニックになってしまうと思いました。
夫は、「きっと僕たちの子なら大丈夫だよ。染色体異常はないよ。
でももし心配で受けたかったら、最終的に決めるのはねねちゃん(私)に任せるよ」
と言ってくれました。
あの時ほんとは、
「ないと思う」じゃなくて「僕たちの子なら、異常があったとしても大丈夫だよ」
って言ってくれてたら、受けなかっただろうなって思うんです。
これを見てくれてるどこかのパパに伝わればうれしいです。
とにかく、妊娠中に知って、赤ちゃんについての知識や覚悟を持って向き合う方が、自分にとってはいいかもしれない。
そう思って、悩みに悩んだ末に、検査の予約の電話をかけました。
胎児ドックという選択肢
その電話で、病院の方からこんな提案をいただきました。
「NIPTの前に、胎児ドックという検査があります。
それを受けてみて、必要があればNIPTに進んでもいいと思いますよ」
「胎児ドック」とは、赤ちゃんの体の構造や心臓、首の厚み(NT)などを詳しく見る超音波検査のこと。
結果次第で、NIPTに進む人も多いそうです。
私はそのアドバイスを受けて、胎児ドックを受けることに決めました。
胎児ドックで見た、愛おしいわが子の姿
検査当日は、夫と一緒に病院へ。
通常の妊婦健診よりもずっと長く、いろんな角度から赤ちゃんを見せてもらえました。
その姿が、とてもとても元気で、
モニター越しに動く姿がとても愛おしくて、
気づいたらずっと涙が止まりませんでした。
検査中はふと、
「この結果で異常が見つかっても、私は中絶という選択肢は持てないかも…」
なんてことも頭をよぎって、心がぐるぐるでした。
胎児ドックの結果。そしてNIPTへ
検査後、結果の説明を受けました。
2つの項目で、数値が引っかかったとのこと。
ダウン症の確率が一気に1/200から1/18になってしまいました。
先生からは、
「ここで検査を終える方もいますし、
NIPTを受けてはっきりさせる方もいますよ」と案内され、
私はそのままNIPTを受けることにしました。
NIPTってどんな検査?
NIPT(新型出生前診断)は、
ママの血液から赤ちゃんの染色体の情報を調べる非侵襲的な遺伝子検査です。
検査で主に調べられるのは、
- 21トリソミー(ダウン症)
- 18トリソミー(エドワーズ症候群)
- 13トリソミー(パトウ症候群)
などの可能性。
検査方法は採血だけで、母体や赤ちゃんへのリスクが少ないのが特徴です。
中絶を悪だとは思っていません
このお話をするにあたって、どうしても書いておきたいことがあります。
それは、
一概に「中絶は悪だ」と、私は思っていません。
染色体異常には程度もあり、
それが子どもにどんな影響を与えるのかは個人差もあります。
子どもが自立して生きていけるのか。
親が先に亡くなった後、どうなるのか。
どれも答えのない問いです。
それぞれの家庭の環境や、考え方、価値観によって
「最善の選択」は違ってくると思う。
私は、どんな選択をしても、誰かに否定されるべきではないと思っています。
どんな考えを持っている方にも、少しでも参考になれば
私はこの経験を通して、
どんなに調べても、結局は「自分で決める」しかないと痛感しました。
それでも、迷ってる誰かがいたときに
「こういう考え方や選択もあるんだな」って、
少しでも参考になればうれしいなと思って、今回この記事を書くことにしました。
次回は、NIPTの結果が出るまでの不安な時間と、結果を受け取ったときの気持ちについて書きたいと思います。
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