ダウン症の確率は1/18に。夫に言えなかった私の本音

妊娠中の話

胎児ドックの結果が教えてくれたこと

妊娠初期の頃、私は胎児ドックの検査を受けました。
(↓その詳細は前回の記事へ。)


その結果「ダウン症の可能性が1/18」という説明を受けたのです。

医師からは淡々と説明され、私も平静を装いながらそのままNIPT(新型出生前診断)の採血へと進みました。
結果は1週間ほどで出るとのこと。電話が来て、その後ZOOMで説明がありますと言われて。

それからの毎日、正直、息をしている感覚すら薄れていました。

偶然の出会いが教えてくれたこと

その数日後、電車を待っているホームで、ふと隣に座ったのはダウン症の女の子と、そのお母さん。
最近見かけることもなかったのに、まるでタイミングを計ったかのような出会い。

2人の会話はとてもやさしくて、温かくて、愛があふれていて――
涙が止まりませんでした。

そのとき私は、まだ胎動も感じていなかったけれど、エコーで成長する我が子を見て
「この子がダウン症でも、私は産む」そう、心の中で決意しました。

夫の気持ちはまだわからない。でも…

夫にはまだ伝えていませんでした。
私がその決心をしたことも、もしものときに産みたいと思ったことも。
彼がそれを受け入れられるかどうかも、わかりません。

誤解を恐れずに言うなら、
「もし夫が受け入れられなかったとしても、私は1人でこの子を育てる」――
そんな覚悟を、私はそのとき持っていました。

もちろん夫のことは大好きですし、離婚するつもりなんてまったくありません。
でも、お腹の中に命を宿している分、私のほうが先に心を決める必要があると感じたんです。

そして、結果の日

ZOOMでの結果説明の日。
過呼吸のようになりながら泣く私のとなりで、
夫は何も知らず、ただパソコンの下で私の手を握ってくれていました。

「結果は陰性です」

そう告げられた瞬間、私は泣き崩れていました。
何を話されたか、その後の説明はまったく覚えていません。
何度も何度も「ありがとう」とお腹の子に伝えました。

夫は笑ってこう言いました。
「ほらね、俺らの子だから大丈夫と思ってたよ」

いつもは心強い彼の楽観的な言葉が、そのときばかりはちょっと他人事のように聞こえて、
正直、ビンタしそうになりました。笑
でも、何よりも安心できた瞬間でした。

検査を受けるかどうか、迷った日々

実は、この検査を受けるかどうかも、すごく迷っていたんです。

「考えすぎだって!大丈夫だって!」
「陽性ってわかっても悩むだけだし、産んでから考えたらええじゃん」
「高いし保険効かないし、受けんでいいと思う」

そんな風に言われることもありました。

もちろん、私と同じように不安を抱えて、静かに決断していた友人もいます。
誰が正しいとか間違ってるとか、そういう話じゃない。
この検査に正解なんてなくて、誰もがそれぞれの事情や思いで決めることだから。

経済的な負担も決して軽くない

でもね、やっぱりお金のこともすごく悩みました。
ただでさえ出産・育児にお金がかかるのに、この高額な検査にかける余裕は正直なかった。

それでも受けたのは「知らないままで不安に過ごす時間」を、少しでも軽くしたかったから。

病院側が検査を推奨するなら、せめて自治体からの給付金などがあれば……
そんな制度があったら、どれだけの人が救われるだろうと願ってしまいました。

最後に

結果が「陰性」だったから、今こうして書けるのかもしれません。
でも、あの期間に感じた不安、涙、覚悟――すべてが私にとって、
命と向き合う時間だったと思います。

どんな結果であっても、
私はこの子を愛するし、
きっと大丈夫だと今は思えています。

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